イベントレポート:トーク「高円寺アパートメント ”みんなのマルシェ” のつくりかた」

11/12、宮田さんをゲストにお招きし、「八王子天神町OMOYA」オープニング記念トークを開催しました。

宮田さんは、女将として自ら住みながら、「高円寺アパートメント」の住民同士や地域との関係性を育む役目を担います。
その実践からは「住まいをまちにひらく」は、個々の「暮らしを楽しむ」が連鎖した結果なのだと、教えてもらった気がします。

いち住人として店を営みながら暮らす

JR阿佐ヶ谷駅と高円寺駅の間、高架沿いに立つ「高円寺アパートメント」は、2017年に旧国鉄の建物を改修した50戸の賃貸住宅です。
事業主はジェイアール東日本都市開発で、株式会社まめくらしはその運営を担っています。

5階建てのうち1階は、ブロック塀を取り払って芝生を敷き、2つの店舗と4戸の店舗兼住宅に改修。
宮田さんはその一角で、雑貨店「まめくらし研究所」を営みながら生活しています。
その住まいは、パブリックとプライベートが曖昧に混ざっていて、ご自身がその状況を楽しんでいることが伝わってきます。
「高円寺アパートメント全体もそんな状況にしていけたら」と宮田さん。

宮田さんはまず、新たに募集した住人を「同じ釜の飯を食べようの会」に誘いました。
おかずを持ち寄り、炊いた白米をみんなで分けて食べる会で、顔見知りになることから始めたそうです。

食を通してフラットな関係から始められるのは、八王子天神町OMOYAで行っている「おたがいさまメシ」も一緒。
宮田さんや住人の方が、「はじめまして」でもごはんを囲んで打ち解ける様子が目に浮かびます。

住人と地域の人が入り混じる場

そうして企画や運営をする“仲間”を増やし、これまでさまざまなイベントを広場で開催してきました。
マルシェや餅つき、流しそうめん、ハロウィンなど。住人の「やってみたい」という声から始まる企画です。
住人にイベントへの参加を強要することはせず、関わり方はそれぞれの意思に任せていると言います。

マルシェやフェスには住人の友人やつながりのある店舗なども参加し、賃貸住宅内で閉じず、地域の人が入り混じる場になっていることが伝わります。

また、スタートから5年たった今では、外でランチをしたり、地域の子どもが遊んだり、ハレの日だけでなく豊かな日常の光景も見られるようになっているそう。
宮田さんは、高円寺アパートメントで起こっていることを「懐かしく新しい未来」と表現し、その暮らしを周辺のまちに広げていきたいと語ってくれました。

暮らしを楽しむが連鎖し、みんなの場所になる

高円寺アパートメントでは、1階を住人とまちの人が交わる場所として設計し、宮田さんが自らの暮らしを通して、一つの楽しみ方のお手本を示しているのだと捉えられます。

そして、その姿に触れた住人が「自分もやってみよう」と試してみる。
その様子を見た隣の人が、「私も参加してみようかな」と広場に出てみる。
住人が楽しんでいる様子が広場にはみ出て、通りがかりの人が「何か楽しそうだ」と真似してみる。

家族や住宅の境界を超えて、それぞれの「暮らしを楽しむ」が連鎖していけば、複雑な仕組みを仕掛けなくとも、「まちとつながる」状況に自然となっていくのかもしれません。

そして、そのためには、「だれのものでもない(と感じられる)場所」が必要です。
高円寺アパートメントの場合は一見何もない芝生広場が、まちの余白のように、特別も日常も受け入れる場として機能しています。
だれのものでもないからこそ、色々な人が愛着を持てる「みんなの場所」になるのだと思います。

八王子天神町OMOYAは、どのような場所に育っていくのでしょうか。

肩肘張って難しく考えなくとも、例えば誰かが庭になる柚子を採って、シェアキッチンでポン酢を作り、目の前の人たちとお鍋を楽しむ。
そんな日常が時間をかけて積み重なることで、ここにしかないみんなの場所へと育っていくのかなと想像しました。

(玉木/まち暮らし不動産インターン)


ゲスト:宮田サラさん(株式会社まめくらし)
賃貸住宅 高円寺アパートメントの「女将」として住み込みで運営を行いながら、雑貨店を同建物内で営む。住人主体で自分たちの暮らしを楽しくする「高円寺アパートメントマルシェ」を運営サポートしている。
https://mamekurashi.com/

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